蛍光X線分析法による電子基板(はんだ)の分析
鉛フリーはんだ / 鉛含有はんだ の分析
電子基板にはスズ (Sn) – 鉛 (Pb) 合金であるはんだ(鉛含有はんだ)を使用していましたが、WEEE 指令や RoHS 指令等で有害元素が規制されたことにより、Pb を用いない Sn – 銀 (Ag) – 銅 (Cu) 合金を用いたはんだ等(鉛フリーはんだ)が用いられるようになりました。
KISTEC では鉛フリーはんだと鉛含有はんだの分析を蛍光 X 線分析(定性分析:元素の確認)や ICP 発光分光分析(定量分析:鉛の含有量の確認)にて行っております。
相談事例
- 鉛フリーはんだか鉛含有はんだかを確認したい
- 昔の製品ではんだの種類が分からない
- 取引先から鉛含有はんだではないかと指摘された
- 蛍光 X 線分析でマッピング分析を行いたい
- 蛍光 X 線分析で鉛 (Pb) を検出した(と言われた)
- 鉛フリーはんだの鉛 (Pb) の量を管理したい
蛍光 X 線分析(XRF)によるはんだの分析事例
鉛の有無の簡易的な分析
蛍光X線分析装置は試料にX線を照射して発生する蛍光X線のエネルギーによって元素分析(定性分析)を行う装置です。下に電子基板上のはんだについて、蛍光 X 線分析装置による定性分析を行った結果を示します(図 1, 2)。
図 1 に示した電子基板 1 では鉛 (Pb) が検出されたことから、この電子基板で使用されているのは鉛含有はんだであることが推測されます。一方で図 2 に示した電子基板 2 では Pb が検出されず、代わりに銀 (Ag) が検出されたことから Sn-Ag 系等の鉛フリーはんだであることが推測されます。
各元素の含有量やはんだの種類を特定する場合には、別途 ICP 発光分光分析 (ICP-OES) 等で定量分析を行う必要があります。
元素のマッピング分析
KISTEC の蛍光 X 線分析装置(株式会社堀場製作所、XGT-5000WR (SDD 検出器に換装;XGT-5200 相当))では点分析だけでなく、面分析(マッピング)も可能です(図 3)。
図 3 は電子基板をマッピング(※鉛 (Pb) と スズ (Sn) のみ抽出。他元素は非表示)したものです。鉛 (Pb:赤) とスズ (Sn:緑) が検出された、合成像における黄色の部分は鉛 (Pb) とスズ (Sn) が検出されたため、鉛含有はんだが使われていると推測されます。
ご利用を希望される方へ
このページのご紹介内容は、試験計測(依頼試験)、技術開発受託(受託研究)でご利用いただけます。
料金表(単位欄にメーカー・型式を表記している場合:機器使用料金(特に記載がない限り単位は1時間あたり))料金NO. | 項目 | 単位(又はメーカー・型式) | 料金 |
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E1841 | 蛍光X線法による微小部定性分析 | 1試料,1カ所につき | 9,570円 |
E1842 | 蛍光X線法による微小部定性分析 1条件増 | 1条件増すごとに | 3,520円 |
※マッピングに関しては測定範囲、条件によって料金が異なります。詳しくは担当者にお尋ねください。
材料 金属、電子材料、材料共通|技術分野 有害物質規制、不具合|分析・試験・評価法 元素
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- 担当:化学技術部 化学評価グループ