固体高分子形燃料電池(PEFC)の作製と評価

燃料電池は燃料の化学エネルギーを直接電気エネルギーに変換するデバイスです.水素と空気中の酸素の反応を利用することで,高いエネルギー密度と高いエネルギー変換効率が得られることから,再生可能エネルギーとしての水素の利用方法の一つとして利用・普及が始まっています.

経済産業省およびNEDOは燃料電池の大幅な利用拡大に向けた開発目標として,固体高分子形燃料電池(PEFC)の技術開発ロードマップを設定しており,その達成のための性能項目とその評価手法としてPEFCセル評価解析プロトコル*を策定・公開しています.(*https://www.nedo.go.jp/library/PEFC_CELL_Protocol.html)

PEFCセル評価解析プロトコルでは,燃料電池構成部材の標準材料および作製条件が示されています.KISTECではそれに準じた燃料電池の膜電極接合体(MEA)を作製しました(図1).作製したMEAをプロトコルの標準セルと同等の評価セル(図2)に組み込み,燃料電池評価装置(図3)で電流・電圧特性を測定しました(図4).ガス流量および加湿条件,セル温度についてもプロトコルに標準条件が示されており,同条件で評価を行いました.

図1 MEAの写真
図1 作製した燃料電池の膜電極接合体(MEA)
図2 試験セル
図3 燃料電池評価装置の写真
図3 燃料電池評価装置
図4 作製した燃料電池の電流-電圧特性

図4の電流電圧特性の結果から,電流密度1.0 A/cm2において0.6 Vのセル電圧を示しており,PEFCとして標準的な出力特性が得られていることがわかります.また,iRの傾きから電解質膜のイオン伝導性を把握することができます.

ご利用を希望される方へ

このページのご紹介内容は、試験計測(依頼試験)技術開発受託(受託研究)でご利用いただけます。

料金表(単位欄にメーカー・型式を表記している場合:機器使用料金(特に記載がない限り単位は1時間あたり))
料金NO.項目単位(又はメーカー・型式)料金
E3255燃料電池の電極作製(スプレー塗工)1時間当たり4,730円
E3241燃料電池の発電試験1時間当たり8,470円
E3253燃料電池スタック試験(1)24時間まで(8時間当たり) 4,510円
E3251燃料電池の露点測定(1) 24時間まで(1時間当たり)4,180円
E3242電解質膜のガス透過性測定1試料につき(1時間当たり)6,380円

関連リンク

  1. 燃料電池評価装置
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  • 担当:化学技術部 新エネルギーグループ